最近別の病院に勤務している友人(看護師)に聞いて驚いた。「明るい髪色禁止」というルールがあったが、さいきん「インナーカラー禁止」ルールが加わった、と。明るいカラーがダメなので「見えづらいから」とインナーカラーにしてくる看護師が増えたことにより、ルールが追加されたのだそうだ。
昭和の中学や高校の校則さながらの禁止ルール。何を恐れてそんなに押さえ込もうとしているのだろう。
看護師って、国家資格所持者。皆基本真面目すぎるくらい真面目だ。もっと自信を持って堂々と生き、堂々と仕事をしてもいいのではないかと、私は常々思っている。
実は私もインナーカラーでしかもピンクがかった色に染めたことがあった。その際も上司2人が私の横に立ち、全員の前で私の髪をパラパラめくって色を見せながら「これはダメだねー」と言った。ルールはないが、見せしめだ。
「そんなの当たり前じゃん!看護師が髪色変えて言い訳ないでしょ。常識がないんじゃない?」と今突っ込んだ方、いるでしょう?
でもどんな理由でダメなんだろう。
不潔だから?
看護師はそもそも髪型自由ではない。仕事の性質上長い髪をそのままにしてはおけないわけで、邪魔なら後ろで縛るか、短かめに切る。真面目な看護師さんたち、仕事がしやすいよう、皆髪型を工夫している。でも色って仕事のしやすさに関係ない。
清潔、不潔の観点からも髪はまとまっている方がいい。そしてその観点からも、髪色ってやはり関係ない。
不良っぽいから?
「患者さんが不良っぽいと思って怖がる」という理由をおっしゃる方もいる。でも髪色によって不良かどうか、怖い人かどうかが決まるわけじゃないこと、真っ黒の髪の方が必ずいい人だったりしないってこと、皆さんご存知でしょ?
「入院患者には昔の人が多いから、それが偏見だとしても合わせてあげた方がいい。」なんて声も。でも偏見なら、そんな偏見を持っている人のために髪色まで合わせる必要はないような気がする。
私はインナーカラーの注意を見せしめ的にされた後も、堂々とそのまま勤務した。でもそれでも患者さんと問題になったことなんてない。
病棟じゃないどこかから、ルールで押さえつけようとする方に伝えたい。現場では、看護師の優しさや声かけ、技術、いつものコミュニケーションで、偏見なんてすぐに関係なくなってしまう。看護師、患者間で問題が起こるとすれば、もっと別のことだ。
もしも問題の原因が偏見によるものだとしたら、「男の看護師はなんかいやだ」「看護師の言うことは聞かん」「男の医者を呼べ」の時と同じ種類にカテゴライズされることになるだろう。
ふさわしくないから?
ふさわしさってなんだろう。患者も看護師も多国籍になっている。男らしさ、女らしさの押しつけができないってことも浸透してきている。この令和の時代に、曖昧な「ふさわしさ」って言葉でプライベートとも言える身体的な部分での自由まで束縛されたくない。
まとめ
とはいえ、身体的な部分での束縛は既にされている。
- 髪型は自由ではない。
- アクセサリーは付けられない。
- かわいい服、かっこいいスーツを着ることはできず、作業着として指定の白衣の着用が必要。
- 爪は短くキープ。整えても、色を塗ったりパーツを付けたりすることはできない。
仕事上何の支障もないなら、せめて髪色くらい自由にしたいな、と思ってしまう。
前述の通り、看護師は国家資格を持ったプロだ。日進月歩の医療についていけるよう勉強までしながら、日々真面目に働いている。もっと堂々とすればいいのだ。遠慮がちに隠しながらインナーカラーにしてみたら、そんな自由さえも力で押さえつける病院、きっといい病院じゃない。
「金髪にしてる人に偏見持ってたけど、入院したら金髪の看護師さんが優しくて真面目でだったの。そんな偏見吹っ飛んだわ!」
「最近の看護師さんて髪色自由なのね。ピンクやグレーや色々ね。でも皆真面目でよく働くわね。」
むしろそんな風に言われる職業になったっていい!
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