看護実習で衝撃的な経験をした。本当に忘れられない経験だ。ここで書くことはうそでも大袈裟でもない。そのことを心に留めて読んで欲しい。
2年生の終わりから「各論」という看護実習が始まる。成人、小児、在宅など色々な分野に分かれてグループごとに順々にクリアしていく。病棟側では、看護学生主担当の指導者看護師、そして副担当的な副指導者看護師が大体いる。
指導者、副指導者の方々は、優しく、そして必要時には厳しい、毅然とした方もいる。でも申し訳ないがそれは当たり前。ありがたいが、しかしやはり当たり前のことだ。異常に優しくする必要もなければ厳しくする必要もない。
家に帰ってから悩むだろうな、時間かかるだろうな、と思っていた看護過程や計画の内容を、一緒に[NANDAーI](←分厚い看護過程の辞書みたいなもの)を見ながら悩んでくれる親切な指導者の方も中にはいたこともお伝えしておきたい。
忘れもしない「母性」の実習。5人の学生それぞれバラバラにお産の立ち会い経験をさせなくてはいけない(お産中に横に何人も学生が並ぶわけには行かない)。しかし当然、産科は突然お産が始まったりする。主の指導者の方、うまく振り分けて、経験、体験をさせてくださったと思う。
病棟看護師はシフト制。この総合病院の産科では、指導者がお休みや夜勤、日勤中の休憩、一人じゃ面倒見きれない時には副指導者もお手伝いしてくれるシステムになっているようだった。
しかしこの産科実習での副指導者がすごかった。きつめ美人な若い女性だった。朝も夕方も挨拶すると無視する。目も合わせない。逆にこちらが見ていない時にものすごい眼光で睨み付けられているのを感じる。視線というのは痛いのだと知った。
あまりに恐ろしいので、質問があってもなかなか聞けない。しかし実習を乗り越えるには聞かずには前に進めないこともある。我々は質問の内容、副指導者本人の状況、タイミング、ご機嫌などを見計らって勇気を出して話しかけた。すると「どういう理由で私が答えるの?」「私の仕事じゃないんですけど」「は?」などと持っているものをことさらに強くバンっと机に置きながら、あるいはほとんど立ち去りながら言った。主たる指導者がいなければ私達は放置され、実習場所に来ているだけ、という状況になるのだった。
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